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2015-07

『白い闇のほうへ』    岬 多可子 - 2015.07.20 Mon

白い闇のほうへ   
                  岬 多可子


うすくらがりは うすあかるみ
仄見えていたものが 見えなくなり
見えなかったものが 仄見えてくる
そこへ どこまでも 入っていけばいい
ぐったりとした 自分の重さを
たったひとつの 持ち物のように ひきずって

かなしみの 白い布は
苦しみの 白い布は
一面にひろげられてあるだろう
これ以上 失えないほど 失って
そのあと なにもかもが 白く
白く そして 暗く

目も 手も おぼつかない
しずかな 闇のなかで
できるのは こころの仕事
砂利と 豆を たんねんによりわけるように
つまずきを つまずきながらかぞえるように
ゆっくりと ゆっくりと

祈るとき 悼むとき わたくしたち
ひとりずつ立ち それぞれの
もっとも深いところへ向けて うつむく
片方の手は もう片方の手を
あるいは どこかにあるはずの
見知らぬ 熱い手を 求める

吐かれた息 流された涙が
白い闇を あたためる
ほつほつと 筆の先の色がにじむように
小さな炎は点され
やがてまじりあって 大きくかがやく
そのときまで そこに とどまっていればいい


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図書でなにげなく手に取った詩集でした
東日本大震災復興支援のために 31人の作家による詩と短編のアンソロジー だったのですが パラパラとめくって目についたのが 岬 多可子さんの詩でした。 
読むことにも 書くことにもすっかり離れてしまった詩心に ぴんと触れた瞬間でした

暗闇で見えないと思っていたのが
見ようとすれば 小さなあかりさえみえてくる
その小さなあかりの中に
隠れていた自分も発見するのかもしれない
人は 幸せの中では 見えないものがたくさんあるのかもしれない。


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種から育てた苗を植えたところ 
さっぱり大きくならないものや 丈ばかり伸びたのがあったりで バランスが悪かったのですが
何度目かの移植で やっと見られるようになりました。
ロベリア ビオラ ヒポエステス 姫フウロ イソトマ センニチコウ です


盛花




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 最近読んだ本

 殺気!  雫井脩介  
(大学生のましろは、12歳のとき、何者かに拉致監禁された経験がある。無事に保護されたが犯人は不明のまま。今、その記憶はない。ひどいPTSDを抑えるため、催眠療法でその出来事を封じ込めてしまったからだった。そのためか、ましろには特異な能力――周囲の「殺気」を感じ取る力が身についている。タウン誌記者の次美はましろに興味を持ち、過去の事件を調べ始める。失われた過去を取り戻すとき、町は恐ろしい現実に直面する。  という内容(本の紹介から抜粋)
読みやすかったのだけれど・・・最後はもうちょっと・・・などと欲張りな感想を。 でも この作家さんの本をもっと読んでみたいと「犯人に告ぐ」を借りたのだが 上下2段の本は 老眼の私にはかなりきつい。 まだ1ページも進んでおりません

 今読んでいる本

 観覧車  柴田よしき
(短編集は 設定を頭に入れる切り替えが面倒なので 殆んど読まないのだけれど 読みやすい本なので 睡眠導入剤がわりに読んでます)





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